小さい頃
夕ご飯を食べながら
テレビの中で どこかの国の兵士たちが
戦ってる姿を見て
とても とても怖くなって
ごはんがのどを通らなくて
そのニュースを食い入るように観ている父親に、
「どうしてこんなことするの?」
って聞いたら、
「めぐちゃんだって、友達と喧嘩するでしょ?それと同じこと」
って言われて、
「でも、けんかしても仲直りしたいし、殺し合ったりしないよ」
と返すと
「そうだな。 、、、大人にはこどもには分からない事情がいろいろあるんだよ。
めぐちゃんも、大人になったら分かるさ」
と返されて、、、。
「にほんでも、せんそう おこるの?」
って聞くと
「日本には、戦争は絶対にしません。ていう法律があるから、大丈夫なんだよ。
むかし、日本は、戦争でとても辛い目にあったからね。
おじいちゃんたちの世代の人が、そう決めてくれたんだよ。」
と話してくれた。
よかった。日本は、戦争はしない国なんだ。
でも、他の国ではこんなこと、起きてるなんて、、、。
信じられないけど、本当のことなんだ、、、。
その夜
布団にはいって
目をとじるときも、怖くてしょうがなくて
おねがいだから、戦争しないでほしい。
神様、お願いだから、戦争をやめさせてください。
誰も死ななくて、良くなりますように
って必死で祈った。
そしてもし、同じことが自分のまわりで起ったらと思うと
母親の布団にもぐりこんで
背中に抱きつきたくなった。
大人の事情ってなんだろう?
あの人たちは、こどものころ
わたしみたいに、人を殺すことは、とても悲しいことで
絶対にしてはいけないことだって
思っていたんじゃなかったのかな?
もしかしたら、今だってそう思いながら
戦ってるのかな?
そうだとしたら、なんて苦しみだろう。
なんて、悲しいだろう。
なんて、辛いだろう。
はやく、帰ってきて。
家族のまつ家に、銃を捨てて はやく帰ってきて。
お母さんは待ってるよ。
でも、それが出来ない状況に追い込まれているなんて
そんなことに、巻き込まれているなんて
想像しただけで、ものすごくかなしい。
なんの意味があるんだろう。
みんな、大好きなひとと
ごはんたべたり、どこかへ出かけたり
誕生日をお祝いしたり
手をつないだりして
家族や友達のことが
大好きで 愛する人との暮らしを 守りたいんじゃないのかな?
そこに、幸せがあるんじゃないのかな?
ひとが大事にしてることを、お互いに大事にしあえば
殺し合いなんてする必要ないんじゃないのかな?
それ以上に だいじな おとなの事情ってなんだろう?
誰かが大切にしてることを うばっては
本当に幸せになることなんて出来ないって
しらないのかな?
ほんとうは、 みんな 殺し合いなんてしたくないのに
しなくちゃいけない理由がもしあるのなら
その理由を みんなで解決できないかな、、、。
おかあさんとも おとうさんとも
兄ちゃんとも おじいちゃんとも
先生とも ともだちとも
ずっと ずっと 仲良く 暮らしていたい。
☆ ☆ ☆
32歳
ふたりの娘の母親となった今。
戦争のことを わたしに話してくれた おじいちゃんはもういない。
おばあちゃんも、もういない。
おじいちゃんは、私が会いに行くたびに
いつも戦争のことを話してくれた。
おじいちゃんが、まだ中学生のころ
おじいちゃんは、大好きな勉強が出来ずに
戦う場所にいた。
青春を、そこで過ごした。
おじいちゃんの心には、戦争がものすごく色濃く、刻み込まれていた。
そしてどこか、時折 悲しそうで、時折 誇らしそうだった。
わたしは、そんなおじいちゃんをみて
おじいちゃんのこころの一部が、戦争というものに
蝕まれてしまったんではないかと思って、とても辛くて、悲しかった。
でも、おじいちゃんの戦争の話を、わたしは耳をそらさずに聞かなくてはいけないと
どこかいつも思っていた。
そして、戦争によって奪われたたくさんのいのち
沢山の悲しみ、苦しみがあったことを忘れてはならないし、
そして、もう戦争をしないと決めた日本であることが、とても嬉しかった。
そしてそれはこれからも、ずっとずっと
そうあるべきだし、
今、戦争している国も
ぼくたち、もう、戦争なんてやめた。と、
銃を放棄し、助け合う方向にエネルギーを使い始め
未来の人が、戦争の一切ない地球に
暮らし
笑顔でいる姿を、
夢見ていた。
いまも、
そうなるようにと 祈ってるし
すべての子供たちが
純粋な いのちが
戦場の悲しみを体験しにきたわけでないことを
祈っている。
人が殺し合って、奪い合ってまで
その先に 何があるの?
地球の歴史
いつまで 殺し合いを 続けるんだろう。
わたしたちには
様々な感情の表現が神様から与えられている。
喜び、悲しみ、苦しみ、憎しみ、怒り、、、
無感情でいること、平和を装うこと
哀しみを、包み隠すこと
平気そうな顔をすること
そんなことが いつの間にか 得意になってしまった日本人。
でも、いまこそ
間違ってることは、声に出して怒りたい。
「 お母さんは怒ってる。 」
全身全霊で、今
日本中のお母さんたちは怒ってるし、悲しんでいる。
こどもの頃の わたしたちの純粋なその気持ちを
わたしは忘れられないし、
きっと、憲法を変えたかった人たちもまた
こどものころはそうだったはずなんだよ。
忘れちゃったんだとしたら、思い出すまで おしりペンペン!!
彼らはもう、降りられないステージに上がってしまったのかもしれない。
だとしたら、引きずりおろして、押し入れにしばらく入れて
冷静な判断が出来るまで、おふくろの味のしたご飯を食べさせて
いのち とは何かを、もう一度 思い出してもらおうじゃないの。
ああ、でもどうしたら、いいんだろう。
声にして、伝える以外
わたしは方法が浮かばない。
みんなは、どうしたらいいと思いますか?