雨が降ると
私はなぜだかウブドを思い出す。
先日の新月の集いでも
実は私はウブドの雨の中にいた。
ざあざと
体の中にまで降る
ウブドの緑と神さまを含んだような
あの濃密な雨
ウブドは、間違いなく私の中にある。
そして私は、間違いなくウブドの中にある。
そう、雨が降っている その間だけ。。。
今から6年前
彩る子と書いた名前の彼女は、高円寺に住んでいた。
年頃の女子 四人で借りた一軒家。
たま という猫が、いつもみんなで集うリビングの扉をひっかいていた。
5年間共に暮らしていた彼氏と別れ行き場を失った空っぽの私は
その高円寺ハウスと呼ばれたシェアハウスの
彼氏と同棲するために出て行った女の子の空き部屋を
運よく借りることが出来た。
彼氏の元へ出て行く娘と
彼氏の元から去り、新入りとなった娘。。。
この妙な席替えが
私の新たな扉を開けた。
その家には沢山の都内で活躍する
アンダーグラウンドなアーティスト達も出入りしていた。
ちょっと悪そうな人たちだけど、
以外とみんな優しくてかわいい人だった。
夜も朝も昼もない
まるでミニシアターの映画になりそうな
そんな日々。
田舎っぺ出身
東武上線沿いのあるマンション8階に
二十歳からずっと彼氏との世界しか見てこなかった私。
彼との結婚を
密かに夢みていたあの頃。でもどこかで、それは長年付き合い、
親元を離れて同棲するときに親に誓った義務感からだった。
この同じ毎日から解放されたかった私の気持ちが優性となったとき
すべての流れが変わり出したのだ。
高円寺での新たな生活は
本当に刺激的で情熱的で官能的な毎日だった。
自分をこんな風にもろに表現して
なんだかぼろぼろになりながらも
それでも楽しそうに生きているアーティストたちが
すぐそこでご飯を食べていても、
私にはとても遠くにいる存在に見えた。
5年間の心の穴を埋めるかのように
私は色々な刺激を求め
色々なことを試してみた。
それはあまりここでは言えないようなこともだ。
仕事は毎日新宿へ。
ファッションビルでのアパレルの仕事。
キラキラしたお洋服が毎日納品されるような
そんな展開がとっても早い、でも少し個性的なレディースファッションブランドだった。
ただでさえデカイ私が、ピンヒールの靴を履いて
みんなを見下ろすように歩いていたあの頃。
みんなから、お人形さんみたいにかわいい人と思われたいた あの頃。
つけまつ毛で目がパンダみたいだったっけ。
化粧をとれば真っ青な顔。だれにも見せられなかったな。
今より5キロは痩せていて、体も心も低体温だった。
月末になるとFAX送られてくる個人売りの発表。
私は数ある店舗の中の新宿店の副店長だったので、
いつも上位をキープしなくてはいけなかった。
いつまで続くんだろう。この流行ってやつは。
いつまで続くんだろう。この個人売りをキープしなくちゃいけない状況は。
いつまで続くんだろう。この消費社会は。
私がしてることって、何の役にたってるんだろう?
あの人のクローゼットを 溢れださせてるだけじゃない??
いつまで続くんだろう。。。
あぁ
あぁあ~~
(この時の苦い気持ちの経験が、
今 ~まほうのしずく~という真逆にあるようなお店に至るまでに繋がっているとは、
その時はこれっぽっちも感じなかったな。
人生は不思議。
すべてがちゃんと
うまく繋がって出来ているんだもん。)
お昼休み
先輩や上司と無理に付き合って
うわっつらの会話をしながらご飯を食べるのが嫌で、
一人でマンガ喫茶へ通うのが私の定番。
煙草臭い
薄暗い部屋で
私はネットをしながら一人
もぐらみたいに冷たい菓子パンをひとつだけ食べていた。
孤独?
こどくっていうんかな。
これって。
自分が今ここにいる存在理由もわからないクセに、
私の顔には存在して欲しくない吹き出物ばかりがいっぱい目立っていた。
舌うちはお手のもの。
しまいにはセールの時に大量に押し寄せてきたお客さんの勢いに
目がまわり、メガフォンを投げて
フィッティングルームに逃げ込んでしまうアリ様。
オシャレって何?!
ただの欲求を満たすだけのもの?!
流行りって何?!
みんな何を求めているの?
みんな?みんなじゃない。
私がだ。
私はここで今、何をしたいの?!
自分の中で本当にこれでいいのだろうか?という気持ちを抱えたまま
仕事に自信を持つことが出来なかった私は
もう限界なんだと、その時思った。
正直なことしか言えない。
正直にしか生きれない。
自分に嘘をつくことが、一番苦手。
そのまま過呼吸で倒れて、そのまま私は退社となった。
今まで築き上げてきたものは、さらさらさらっと
砂のお城の様な音と共に 崩れ落ちた。
重たい重たい気持ちを抱えたまま
振り返ってみると
あの時の私は人生で一番暗いオーラを放っていた。
彼氏とも別れ
仕事も辞め
自分が一体何をしたいのかも分らず。
めまいがして電車にも乗れず。
人ごみを見ると吐き気がして。
でもただ
スケジュールだけは空いていた。
だから
チケットを
チケットを
買ったんだ。
「 バリの、舞踏がみたい。どうしても。バリに行きたい。今すぐに 」
真黒な頭の中にも
欲望の声がした。
欲望
そうだ
生きるために。
私は少しばかり、自分のために時間を使ってもいいんじゃないか?
働かなくてはいけない。
働かなくてはいけない。
そんなサンプリングをした曲を自分の頭で流してないで
すべてのスイッチを抜いてしまえ!!
「私、バリへ行く」
と告げると
「一緒に行きたい!」
という声が。
同じ高円寺ハウスに住んでいた彩子。
丁度長年付き合っていた男と別れ、仕事も辞めたばかりだったので
私たちは運命共同体、
隊長 私
副隊長 彩子
という呼び名を付け合い
共に初めての無計画バックパッカー的旅 に向うこととなった。
なんだか頼りなくて
世界を何も知らないような 女子二人。
観光で海外へ行ったことはあった。
でもその時は彼氏が荷物を全部持ってくれた。
日本語がしゃべるガイドが、そばにいてくれた。
そんな長くても5泊くらいの旅だ。
英語もまったくしゃべれない。
私なんか 動詞、過去形とかすらなんだか忘れてしまってる状態。今の小学生よりひどい。
早稲田卒業のはずの副隊長も、まったくあてにならない始末。(あ、ごめん。)
初めてのインドネシアだ。
とりあえず手始めに買ったガイドブック「地球の歩き方」
裏の方を見れば不安な気持ちになるような出来事も一杯載ってる。
メイク道具も
シャンプーやリンス
いつも使ってるすべての物を
私たちは初めバックパックに入れようとした。
けれどそんなに入るわけがなくて。
つけまつげを持って行こうか、本気で悩んだりもしたっけ。
世の中で一番おしゃれな格好をしていたはずの私たちは
世の中で一番ださい格好をわざとして
バックパックを背負うことにした。
少しでも、現地で絡まれないようにするために。。。(笑)
決めた。
私は人生で初めての ノーメイク生活を送る!!
でも、もしかしたらの時のために、アイライナーだけ持ってく!!
災害があったら、メイク道具だけは必ず一番最初に持つであろうとまで
思われた隊長だったが、私はこの旅でノーメイクを決め込んだ。
くだらないことに思われるかもしれないけれど、
この決意こそが、
こういう決意こそが
私が仮面を剥ぎ落とす、ひとつひとつの経過となっていたことに
今気が付く。
辛口で酒飲み、煙草も男のように吸うくせに小心者の彩子と
のっぽでガリでお酒もたばこも吸えない病弱な私が
前の夜少しばかり旅立つ前に遺書まで用意して
飛行機に乗ったことは
あまり知られていない。
でも、
私は書きたいと思う。
熱い
熱い
亜熱帯のあの旅の日々を。
本当に不思議なことが沢山起こったバリでの30日間。
海で遭難しかけたこと。
怖い目に合わされ震えたあの夜の出来事。
不思議な力を持つ青年との恋のこと。
私の中で開花した、ある能力。
同じ時間を共にした 副隊長彩子とのこと。
光と緑に満ちた あの満月の夜。
ガムランの音のような あの旅を。
あれから私たちは旅にはまり
恋をするかのように夢中で旅をしたけれど。
やはり一番最初のバリ島が、
今の私を呼んでいる。
先程 現在の彩子とある約束を交わした。
今彼女は北海道にいるんだけど、
インドとタイのお産で会ったきりだ。
インドでは私がライブをしてる時に
突然お客さんで現れた彩子。
タイでは私がお産をしたあとに
お祝いのフルーツを沢山もって 遊びに来てくれた彩子。
あの頃のか弱き姫たちの面影は
もうどこにもないね。
何気にあうらと同じ誕生日という不思議な縁ある彼女と
私はもう一度旅をする。
あの頃の私たちが見た
あの神さまの住む島を。
そして私はそれを 本にしたいと思う。
だから、どうか
これを見た誰か
私を作家にしてくださいませんか?
他にも書きたいテーマは沢山あります。
心踊らせるような学歴はないけれど、
魂をふるわすようなネタだけは宝の山です。
なんて書いてみたりして☆
誤字雑事を直してから
出直します♪
ちゃんちゃん。
というわけで
来年は バリへ 旅へ行きます。
with aura で。
こんな風に
裸で
海に。
ま、
流れのままにね。
でも、きーーーめた☆
だってパスポート、2013年までだったんだもん。
あうらも私も。
ちょっとの間だけだから♪
お休みくだいね~~☆