あぁ、どんどん記憶は薄れていってしまう。
日々のあれこれや忙しさに紛れて、
愛おしい大切なあの感覚や思い出。
どうして人は
どんどん色々なことを忘れていく生き物なんだろう。
写真はそんな忘れてしまいそうな記憶の数々を
わたしの中から引き出してくれる
最高の宝物でもある。
だからたまに、ひとりでこっそりと
写真を眺めて過ごしたりも好きなんだよね。
忘れてしまった大事なメッセージに
気づかせてくれるから。
ハーブティでも飲みながらさ。ほっこりと。
あの日、私が見ていたものは何だったんだろう。
カラカラに乾いた空気。
目を何度も瞬きしながら、おなかの中にいる彼女をなでなで。
手に感じるあなたの温度から、姿、形を想像し
どんな子かしら。なんて微笑む。
竹で出来たおうちで、わたしはバナナの木やマンゴーの木を眺め
日本にいるお母さん、お父さんあての手紙を書いていた。
これから母になろうとしている自分と
わたしを育ててくれた両親との気持ちが交差する。
子供から、親へとなる私に与えられた
数々の課題に、私はときに沢山泣いたりもしたけれど、
そうやって、自分と向き合い、家族と向き合い、パートナーと向き合い
いろんな人に、母になることを教えてもらっていたんだと思う。
この頃、妊娠8ヶ月。
わたしはまだ、どこでこの子を産もうか、悩んでいた。
借りていた家はこんな感じ
とても気持ちがいい家だったけれど、
この頃雨季が迫ってきていて、雨が降るとびっしょりになってしまうのが
産まれてくる赤ちゃんを迎えるには、ちょっと厳しいと思った。
妊婦ライフにはいいけれど。
この階段を下って、少し歩いたところにトイレがあるので、
夜中は何度も階段を昇ったり降りたりしながら、
お月様と会話するチャンスをもらえた。
(妊婦さんて夜中に何度もトイレで目が覚めるんだよね。)
それは、自分の中の野生を引き出すにはもってこいで、
病院ではなく、助産師さんもいない状況でお産をする予定の私には
とても気持ちが良い「勇気」をもらえるひと時だった。
トイレまで行くのがどうにも嫌なときは
周りに蛇がいないかどうか確認して
歌とか歌いながら
ちょっと野原で用を足させてもらうこともしばしば。
その方が気持ちがよくなっちゃって、癖になりそうだったけれど。
たまに何の生き物なんだかよくわからない「鳴き声」が聞こえてきて
背筋がぞくっともした。
あれは一体なんの生き物だったのか、いまだに不明。
でも、それでいいんだ。
この地球には、私が知らないことのほうがよっぽど多いのだもの。
この頃のわたしのおやつは
とにかく バナナ。
空腹を感じたらすぐバナナを食べて
皮を思いっきり投げ飛ばす!!
ぽーーーいい!!
バナナ最高!!
バナナがないと、どうにも落ち着かなくなってしまうほどの
バナナウーマンと化してしまっていた。
あうらパパは必死にお産できる家を探して回ってくれた。
でも、最初あうらパパが選んできてくれた場所は
まあーーすごいジャングルなところばかりで、、、。
私はやはりお産前になって、せめて寝床と料理できるところ
洗濯できる場所がしっかりしてるところを求めていたので、
せっかく彼が選んできてくれたかなりナチュラルライフを送れそうなところは
ちょっとパスさせてもらった。
「 だってこれから雨季ですってばよ!!結構な雨量ですわよ! 」
と心の中で叫ぶ~。
そしてやっとこ 腰を落ち着かすことが出来たのは
お産する一ヶ月前だった。
やれやれ~~。
でもほんとにすばらしいお家でお産することが出来たのは
一生懸命探してくれたあうらの父ちゃんと、その家を貸してくれた
タイ人アーティストの彼のおかげ。
色んな人のおかげで、お産ピクニックにたどり着くことが出来た。
4月にお産予定のれいちぇるに、
「かみゅさんの話は参考にならない・」と笑われている私。
まあ、確かに、参考にならないかもな~~。笑
やはりお産は~呼吸~だなって私は感じています。
自然と
自分と
赤ちゃんと
大地と
宇宙と
すべてと 呼吸 を共にすること。
あとは焦らずに。
自分と赤ちゃんのペースを大事に。
どんなお産もすばらしい。
こだわりは手放し、そのときのあるがままの流れを
大事にすること。
私は子供は一人でも産めることが分かったけれど、
みんなと共にお産を迎え、みんなに歓迎されるお産も
いいなーって今は思っています。
色んな人の力を借りて出てきた子供は、
きっとみんなに感謝できる子供に育つと思います。
育児は一人では本当に無理~~。
あたしはすぐにお手上げでした。 ははは、、。
お産をひとつのゴールに思っていたけれど、
産んだ後の方が、まーーー忙しいったらありゃしない!笑
かわいいけど。
自分の時間を大事にできる最後の妊婦ライフを
妊婦のみなさん、ぜひたのしんでくださいね♪
忘れてしまったことと言えば
お産のあのなんとも表現しずらいあの陣痛の痛みも
すっかりどんなものだったのか忘れている。