2011年01月11日
はじめてのタイ。

25歳だった私が
初めてタイを訪れた時 感じたものは何だっただろうか。
タイの生活の匂い 音
人の表情の豊かさ 笑顔
タイ語のもつ 明るくて穏やかで暖かい温度
ゆったりとした時の流れ、、、
そうかと思えば、
ハーブやスパイスがフライパンの上で湯気と共に踊る
屋台の活気。
野放しな犬、青い空 カラフルで身軽な洋服
元気いっぱいのビタミンカラーのお花たち
自由に旅をする世界各地のバックパッカーたち。
飛び交う様々な迷路みたいな言語。
それまで、新宿でとっても忙しく仕事をしていた私は
本来の自分のもつエネルギー量を使い果たしぼろぼろになっていた。
どこか魂が乾いていたというか、
疲れきっていたというか
自分を見失っていたというか、、、
まだまだ 自分がわからなくて
とりあえず、 まずは本当に自分がしたいこと
好きなことをしてみよう。ということにしか
自分に還る方法を知らなかった。
「そうだ、インドへ行こう。インドに行くしかない!」
なんでだかわからないけれど、
インドに一生のうちに一度は絶対に行かないと
いけない気がしていた。
よく、インドに呼ばれるというけれど、
呼ばれてるんだろうか。
呼ばれてるというかなんというか、
すごい力によって、引き寄せられているような感覚、、、。
気がつけば自分住んでいた高円寺も、日本のインドと呼ばれる場所だし、
新宿のど真ん中、
ヒールの靴を履いて、髪をふんわりカールしちゃってるようなお姉さんな感じの
アパレルをしていた私にとっては、インドなんて無縁とも言えそうなのに、
気がつけば周りには、インドに行ったことがある人で溢れていた。
元々、インドやタイやインドネシアなどから流れ着いた
雑貨やアクセサリー、インテリアは大好きで、集めてはいた。
だけど、もっともっと強い、この気持ちはなんだろう。
魂が、欲してる。
そう、この表現が一番近いインドへの気持ち。
でも、なんか怖い。
もしかしたら、死んじゃうかもしれない!
犬に噛まれたら?変な病気にかかったら?
熱や下痢になるんなんて普通だって聞くし、、、。
そ、 その前に、タイによろう。
そうだ。タイは微笑みの国と呼ばれてるし!!
バンコクで格安のインド行きのチケットを買って、インドIN!
突然インドはちょっと刺激が強すぎそうなので、
インドへ渡る前に、タイで少し深呼吸しておこう!
びびりんな私はそんな気持ちでタイ行きを決めた。
仕事は辞めていた。
未練はまったくなかった。
やるだけのことはやった。
新宿のアパレル、消費社会の貢献者。
私は一体ここで何をしてるんだろう?と自分のしていることに自信が持てなくなっていた。
恥ずかしい話、売り上げという数字では常にトップではあった。
だけど、私は本当に必要なことをしてるんだろうか、、、?という
疑問がいつもくっついて回って離れてくれなかった。
お金が尽きたら帰ろう。
次の日のことを気にせずに、誰にも縛られずに、社会に縛られずに、
そんな旅を、してみたかった。
逃げなのかあ。
現実からの逃避なのかなあ。
どうだろう。
でも、現実に溺れてしまっている以上、そこからどうにかして出るしか
その頃の私には方法が見つからなかった。
でもただひとつ、
ただ遊びに行くだけじゃなくて、何か学びを、、、
異国の地で、何がいいだろう??
タイならではのもの、、、。
色々と悩んでいる私に
その当時付き合っていたオーストラリア人の彼氏が指を鳴らした。
「Thai massage!」
タイマッサージ??
「What is this?」
正直私はその時まで、そんなマッサージを聞いたことがなかった。
今じゃ長野にもいくつかタイ式マッサージのお店が出来たけれど、
この当時はそんなに有名なマッサージではなかった。
彼が言うには、YOGAのようで、それはそれは世界一きもちいい癒しのマッサージだということ。
タイに行けば学校があるから、探してみたら?と、、。
(そのときのことはこの前の日記で書いてあるので省きますが。)
初めて行く異国の地で、突然マッサージスクールを探して勉強だなんて、
正直どきどきだし不安でもある。
英語だってタイ語だって初心者なのに、
大丈夫なのか?!
だけどなんだろう。
太陽がサンサンなタイでマッサージを勉強する私。
そんな自分を想像すると わくわくした。
不安よりも、大きなわくわく。
だったら、そのわくわくを信じてみよう。
動かなきゃ、現実逃避もただの妄想のまま。
何も始まらない。何も変わらない。
そうだ、マッサージの勉強をしたら、ご褒美に南の島へ行こう。
ご褒美がないと動けない自分は相変わらずだけど、
呼吸すらまともに出来ないような精神状態だった私にとって、
これは大きな一歩であったといえよう。
そうそう、この頃私は過呼吸でしょっちゅう倒れていた。
精神的にどうも弱くて、いろんなストレスを溜め込んで
それを吐き出せずに、どうしていいかわからないし
完全に心と体のバランスをくずしてしまっていた。
電車にも乗れなかったりしたくらい。
そんな私なのに、なんかよくわからない自信があった。
「飛べばなんとかなるさ!!」
そのころ私は高円寺に
女の子4人で一軒家をルームシェアして住んでいた。
一緒の職場でもあったあやちゃんも、
絶対行きたくないけど絶対行ってみたいというインドへ行きたい!ということで
今回の旅も一緒に行く事になった。
私の初めてのバックパッカーデビューであるインドネシアも
彼女と共に途中まで一緒に旅をした。
彼女はタイで他のことがしたかったから
行くときは一緒に行って、現地で別行動をとって、
コパンガンという南タイの島で待ち合わせをすることにした。
いざ、出発!!
まってろよインド!!
私はインドで毎日カレーを食べるもんだとばかり思っていたので、
インドでカレーに飽きないためにと、
大好きなカレーを一ヶ月間絶食することにした。
なんじゃそりゃ。という話だけれど、本当のこと。
カレーをたらふく食べるために、カレーを断つ!(ま、この後実は、インドで
まったくカレーを食べずに旅をするはめになるのですが、、、笑)
そして、お守りをぎゅっとにぎりしめてついに空の旅へ!
タイに初めて降り立つ。
あっついタイの熱気。タイに来たぞ~~!!待ってろインド~!!(インドは別に待ってない。)
安宿が多いバックパッカーたちに人気のカオサン通り。
これがうわさの!!

さっそく友達の旅人お勧めの安いゲストハウスを探しだし、チェックイン。
怪しげなム-ド。長いドレッド頭、タトゥーの入ったいかつい身体をした外国人。
大きな大きなバックパックを背負ってる西洋人。(何が入ってんだ?!)

屋台でおいしいタイ飯を食べ、飛行機で疲れたからだを牢獄のような部屋で休めつつ、就寝。
熱風をただかき回すだけのうるさいファンがゴーゴーと唸る。
次の日、さっそく私はタイ式マッサージの総本山といわれる
バンコクにあるワットポーへ向かった。
地図を頼りに歩いてみたものの、元々方向音痴なので意味がない。
私にとって地図は「さまよいなさい。」と言ってるようにしか見えない。
これだけいっぱい人がいるんだから、聞いたほうが早い!
しかしこれだけ多くの外国人観光客がいるというのに、屋台のおばちゃんに英語なんて通じない。
そう、ここはタイランド。タイ語で話してみようではないか!
さわでぃーかー♪
初めての土地では思いっきり彷徨ってみるみるのがカミュの旅スタイルだ。
おかげで沢山の人と話すことも出来たし、ひょんなおいしい物にありつけたりするし、
とても楽しい時間が過ごせました。そしてたどり着いたワットポー。
元々タイ式マッサージはお寺で始められたものと言われている。
体と心が病めるものに施されていた、心からのおもてなし、施術だという。
ワットポーはお寺の名前で、実際にワットポーにはタイ式マッサージのルーツである
YOGA(ルーシーダットン)のポーズをとっている像などが飾られています。

ついに来ちゃった!
タイ、タイ、微笑みの国タイランド!
世界一気持ちがいいというマッサージ!!
今思えば、ひょんなことからだったけれど、
確実に私の人生はここから大きく変わったといえよう。
心が苦しかった私に、タイはあたたかい扉をそっと 開けてくれたのだった。

つづく
Posted by カミュ at 00:14│Comments(0)
│タイ古式マッサージ