2013年06月07日
愛とはなんだろう? 7 インド編
こんばんはカミュです。
最近人に自分のことを紹介するとき、真面目に自分のフルネームを先に言うか
「カミュ」ですとちょっとした衝撃を与えてみるかで悩んでいます。
結局悩みすぎておどおどして、変な印象で名も告げずに終わってしまう。
そんなことも度々。
二十代の頃は平気で 「どもども~カミュです~」
なんて気軽な挨拶ですぐに打ち解けあえ、一回で覚えてもらえていたものの、
やはり母親になり、30代にもなり
そんなおちゃらけたことが通用しない時もあるよな~と
少しは社会人らしいことを考えられるようになった私。
「カミュって何人なの?」 くらいが良かったんだけどな。
そしてフルネームは家族しか知らないくらい
ラピュタの暗号みたいに大事にしまっておきたかったんだけどな。
実はフルネームがめちゃくちゃ長くて覚えられないよ~みたいな
ちょっと呪文のような名前に少し憧れます。
過去最大級の口内炎とひどい便秘に悩まされた今週の締めくくりに
すっきりしたところで、久しぶりに
「愛とはなんだどう?インド編」 のつづきを書きたいと思います。
ハジマリ ハジマリ ハマジ ハマジ www (つまりが取れると頭が柔らかくなるな~。排出は大切だな。)
太陽がじりじりと私たちを照らす。
でも1月のリシュケシュは日が落ちるのも早い。
日が落ちれば途端にセーターが必要なくらい寒いのに、太陽が出れば彼みたいに
裸でいられるくらい暑くなる。
妖精みたいなドレッド頭の彼と、謎の旅人の彼女と
突然はじまった屋上でのチャイタイム。
初めてなのに、なんだかそこにチャイがあるだけで、そしてひとつ太陽の下というだけで
こうやって三人でチャイを囲むことが初めてじゃないような気持ちになるのが不思議だった。
一口飲んだそのチャイはとてもやさしい味だった。
屋台でインドのおじちゃんが作るチャイよりも、スパイスがあまり効いてなくて、なんだか品のある感じ。
ここにはさっき沐浴したガンガーと同じような時間の流れがあって、
そして同じリズムで私たちは呼吸していて、そして聞こえてくる鐘の音がその間を泳ぐような独特の間があった。
誰も無理に口を開こうとはしなく、それでいてぽうりぽつりと話し始めると糸をつむぐようにどんどん
自分の中の何かと繋がっていく。
この出逢いが何かお互いに必要であるとき、
そういう会話のあやとりみたいのは必ず現れる。
「 彼とずっと旅をしてるんですか? 」
「 うん、そうね。どのくらいになるかな? 二年くらい かな? 私ね、それまでニューヨークに住んでいたの。
前の旦那さんと離婚して、色々あってね。 自分がそれまで大切にしていた家具やマンション、洋服
ぜーんぶ売って。そのお金で旅を始めたのよ。 」
そういうとエミさんはすがすがしい笑顔を咲かせ、そしてかぶっていた帽子の先をつまんだ。
「あ、そうそう。この帽子は当時のもの。全部手放したわけじゃないのよ。気に入っていたもので
これから必要な衣類だけは取っておいたけどね。」
その帽子は女優さんが被るみたいにつばが広いハットで、確かにインド製ではなかった。
ニューヨークの、そっち系のセンスがいいデザイナーさんが手がけたような
そんなしかっかりした素材で作られたオシャレな帽子だった。
人にはいろんな歴史があるんだなー。
旅をしていると、本当に 「え?!」と驚く過去を持っていたり、そこを手放しちゃうんだ?!
っていうような人生の転換期を迎えた人などがゴロゴロしている。
みんな色んなそれぞれの人生のタイミングで旅をしているわけで、
そんな人生のタイミングの中に私との出逢いがあるということに、どこか何か意味があるんだろうなと
感じる出逢いが、旅の中では結構ある。
えみさんとマイケルとの出逢いもその一つ。
「 すごいですね~。自分の暮らしをすべて手放すなんて。怖くなかったですか?」
「 その暮らしを維持していくことの方がもっと怖いことに感じていたから、決心してしまえば全然。」
「 そういうときって、訪れるんですね。私にも同じような体験がありました。彼とはどこで出逢ったんですか?」
「 以前、一度ここを訪れた時に出逢ったのよ。
旅の途中で彼と出逢って、私にとって彼はグルジー(先生)なの。」
「グルジー?!」
「そう。彼の生活すべてが、私にはとても学びなのよ。彼をとても尊敬してる。彼の考え方、行動、すべてを学んでるのよ。」
私は遠くを見つめるマイケルの横顔をそっと覗き見した。
彼から彼女は一体何を教えてもらってるんだろうか? 確かに、確かにマイケルは何かを持ってる人な気はする。
それは、ふたりの間でしか分からないことだけど、、、。 付き合ってるとか、パートナーとか、結婚相手とか
そういうのではないのか? いうならば師匠と弟子みたいな、そんな関係?
う~ん。中々まだ理解出来ない謎の二人の関係である。 「丸々の形、関係。」にこだわらないとすっきり落とし込めないのは、
私の頭がまだまだ固いせいなのだろうか。
日本語でずっと会話していた私たちの間で、彼は割り込むこともせず、じっとしていた。
今まで私が出逢ったどんな人よりも、彼からは穏やかなエネルギーを感じた。
何かを深く考えてるようでもあるし、ただ今を感じてるだけのような気もする。
目を閉じて彼を感じれば、そこには草原が広がっていて、
ただ風を感じゆれているだけで輝く雑草のような感じがした。
何か聞きたい。彼から何か言葉を紡ぎだしたい。
でも、何からどう聞けばいいのだろう。
彼が草原だとしたら、風のような言葉で何が伝えたらいいのかもしれないけれど
英語に苦手意識がある私が、私の表現力に邪魔をする。
「 Where are you from? 」
そんな初心者レベルの会話の問いかけに、はじめて彼が口を開いた。
「 I'm from Australia.」
低い、穏やかな声で彼が答えてくれた。
つづきはまた今度♪
最近人に自分のことを紹介するとき、真面目に自分のフルネームを先に言うか
「カミュ」ですとちょっとした衝撃を与えてみるかで悩んでいます。
結局悩みすぎておどおどして、変な印象で名も告げずに終わってしまう。
そんなことも度々。
二十代の頃は平気で 「どもども~カミュです~」
なんて気軽な挨拶ですぐに打ち解けあえ、一回で覚えてもらえていたものの、
やはり母親になり、30代にもなり
そんなおちゃらけたことが通用しない時もあるよな~と
少しは社会人らしいことを考えられるようになった私。
「カミュって何人なの?」 くらいが良かったんだけどな。
そしてフルネームは家族しか知らないくらい
ラピュタの暗号みたいに大事にしまっておきたかったんだけどな。
実はフルネームがめちゃくちゃ長くて覚えられないよ~みたいな
ちょっと呪文のような名前に少し憧れます。
過去最大級の口内炎とひどい便秘に悩まされた今週の締めくくりに
すっきりしたところで、久しぶりに
「愛とはなんだどう?インド編」 のつづきを書きたいと思います。
ハジマリ ハジマリ ハマジ ハマジ www (つまりが取れると頭が柔らかくなるな~。排出は大切だな。)
太陽がじりじりと私たちを照らす。
でも1月のリシュケシュは日が落ちるのも早い。
日が落ちれば途端にセーターが必要なくらい寒いのに、太陽が出れば彼みたいに
裸でいられるくらい暑くなる。
妖精みたいなドレッド頭の彼と、謎の旅人の彼女と
突然はじまった屋上でのチャイタイム。
初めてなのに、なんだかそこにチャイがあるだけで、そしてひとつ太陽の下というだけで
こうやって三人でチャイを囲むことが初めてじゃないような気持ちになるのが不思議だった。
一口飲んだそのチャイはとてもやさしい味だった。
屋台でインドのおじちゃんが作るチャイよりも、スパイスがあまり効いてなくて、なんだか品のある感じ。
ここにはさっき沐浴したガンガーと同じような時間の流れがあって、
そして同じリズムで私たちは呼吸していて、そして聞こえてくる鐘の音がその間を泳ぐような独特の間があった。
誰も無理に口を開こうとはしなく、それでいてぽうりぽつりと話し始めると糸をつむぐようにどんどん
自分の中の何かと繋がっていく。
この出逢いが何かお互いに必要であるとき、
そういう会話のあやとりみたいのは必ず現れる。
「 彼とずっと旅をしてるんですか? 」
「 うん、そうね。どのくらいになるかな? 二年くらい かな? 私ね、それまでニューヨークに住んでいたの。
前の旦那さんと離婚して、色々あってね。 自分がそれまで大切にしていた家具やマンション、洋服
ぜーんぶ売って。そのお金で旅を始めたのよ。 」
そういうとエミさんはすがすがしい笑顔を咲かせ、そしてかぶっていた帽子の先をつまんだ。
「あ、そうそう。この帽子は当時のもの。全部手放したわけじゃないのよ。気に入っていたもので
これから必要な衣類だけは取っておいたけどね。」
その帽子は女優さんが被るみたいにつばが広いハットで、確かにインド製ではなかった。
ニューヨークの、そっち系のセンスがいいデザイナーさんが手がけたような
そんなしかっかりした素材で作られたオシャレな帽子だった。
人にはいろんな歴史があるんだなー。
旅をしていると、本当に 「え?!」と驚く過去を持っていたり、そこを手放しちゃうんだ?!
っていうような人生の転換期を迎えた人などがゴロゴロしている。
みんな色んなそれぞれの人生のタイミングで旅をしているわけで、
そんな人生のタイミングの中に私との出逢いがあるということに、どこか何か意味があるんだろうなと
感じる出逢いが、旅の中では結構ある。
えみさんとマイケルとの出逢いもその一つ。
「 すごいですね~。自分の暮らしをすべて手放すなんて。怖くなかったですか?」
「 その暮らしを維持していくことの方がもっと怖いことに感じていたから、決心してしまえば全然。」
「 そういうときって、訪れるんですね。私にも同じような体験がありました。彼とはどこで出逢ったんですか?」
「 以前、一度ここを訪れた時に出逢ったのよ。
旅の途中で彼と出逢って、私にとって彼はグルジー(先生)なの。」
「グルジー?!」
「そう。彼の生活すべてが、私にはとても学びなのよ。彼をとても尊敬してる。彼の考え方、行動、すべてを学んでるのよ。」
私は遠くを見つめるマイケルの横顔をそっと覗き見した。
彼から彼女は一体何を教えてもらってるんだろうか? 確かに、確かにマイケルは何かを持ってる人な気はする。
それは、ふたりの間でしか分からないことだけど、、、。 付き合ってるとか、パートナーとか、結婚相手とか
そういうのではないのか? いうならば師匠と弟子みたいな、そんな関係?
う~ん。中々まだ理解出来ない謎の二人の関係である。 「丸々の形、関係。」にこだわらないとすっきり落とし込めないのは、
私の頭がまだまだ固いせいなのだろうか。
日本語でずっと会話していた私たちの間で、彼は割り込むこともせず、じっとしていた。
今まで私が出逢ったどんな人よりも、彼からは穏やかなエネルギーを感じた。
何かを深く考えてるようでもあるし、ただ今を感じてるだけのような気もする。
目を閉じて彼を感じれば、そこには草原が広がっていて、
ただ風を感じゆれているだけで輝く雑草のような感じがした。
何か聞きたい。彼から何か言葉を紡ぎだしたい。
でも、何からどう聞けばいいのだろう。
彼が草原だとしたら、風のような言葉で何が伝えたらいいのかもしれないけれど
英語に苦手意識がある私が、私の表現力に邪魔をする。
「 Where are you from? 」
そんな初心者レベルの会話の問いかけに、はじめて彼が口を開いた。
「 I'm from Australia.」
低い、穏やかな声で彼が答えてくれた。
つづきはまた今度♪
Posted by カミュ at 22:55│Comments(0)
│ちきゅう色日記(ジプシーな旅日記)