2014年10月19日

インドに恋して 

まほう堂で24日よりはじまるインド展にむけて、

少しインドの旅お話をしたいと思います。お付き合いくださいませ。



インドに恋して 




インドにはよく「呼ばれる」っていうけれど

わたしもやっぱり呼ばれてしまったその一人であると思う。

はじめてのインドは2007年

その頃わたしは高円寺で

女の子四人+猫 と 一軒家をシェアして住んでいた。


新宿の立ち並ぶビルの隙間から見えるまんまるいお月様を見上げては

ハイヒールをカツカツ鳴らして歩いていたあの頃。

生き方のリズムは自分の中にあるのではなくて

周りのリズムに合わせて一生懸命早足で生きてるような

そんな暮らしから 過呼吸やパニックを繰り返し 早5年たっていた。

新宿でのアパレルの販売員だった慌ただしい生活を辞め

婚約して5年同棲していた彼とも別れ

精神状態が泥沼のように悪かったときに初めて行ったインドネシア放浪の旅の中で、

自然とバリ島の持つ癒しのパワー、そして野性的な自分のリズムを取り戻すことで

帰りの飛行機では、手放せなかった薬をすべて捨てて帰ってくるほど

たくましさを取り戻していたものの

都会に戻り、仕事も彼氏もいない、ただのプー太郎状態の自分の生き方について

いろいろと悶々している時期だった。



そんなある日、週末の夜はいつも踊りたくて通っていたクラブ。

真夜中の密閉された箱の中で、爆音を聞きながらすべてを忘れて踊ることは

自分の中にたまった激しいエネルギーを発散させるにはもってこいだった。


一緒に暮らしている友達 月子と共に なんとなく発散しに行ったそこで、

わたしは自分の人生を大きく変える人との出逢いがあった。


発散しに行ったはずのクラブで、なんとなく虚しさを感じていたわたしは

階段の踊り場でひとり涼んでいた。

ホールとドアひとつ挟んだそこはタバコ臭さと酒くささとが充満していて

人が出入りするたびにブラックミュージックの重低音と、ラッパーの激しいトーンが漏れてきた。

前まで感じていた面白さが、なんだかもう感じられなくなっている。なんでだろう?

踊っても踊っても、虚しさを感じるのはどうしてだろう、、、。

前まで大好きだったことに、エクスタシーをまったく感じられない萎えた自分。

うつっぽいんだろうか。。。

それともただ、こんな暮らしに飽きてしまったんだろうか、、、。

もともと、タバコもお酒も好きじゃない。

わたしはもっと、外で気持ちいい空気を吸いながら、自由に裸足で踊りたい、、、。

反抗心をむき出しにしたヒップホップは、なんだかもう、疲れちゃうなあ~。


すると、ひとりの小柄な男性が近づいてきた。

キャップを少し斜めにかぶってはいたけれど、イーストサイド的な感じの悪そうなスタイルではなかった。

シンプルなトレーナーに、アンダーグラウンドの香りがする。

彼はわたしになにを言うかと思ったら、手を合わせて

「ナマステ~」 と言ってきた。 ナマステ? 拍子抜けである。

そして彼はわたしに、ヨガのスクールの講師を初めたから、よかったら来ませんか?と言った。

ヨガ?!

「あと僕、こんどライブもあるんだけど」

ライブ?! 彼が差し出したチラシを見てびっくり。


その人は私が大好きな、ジャパニーズ アンダーグランドヒップホップのラッパーだったのだ。

「あ!!わたしCD持ってます すごく好きで 」

「 へ~、知ってるの?! 珍しいね。渋い趣味ですね 」

そしてわたしは、彼から発せられるインドオーラに、ものすごーーく反応してしまい

なぜだかとっても彼に興味を抱き、 彼の生き方にものすごくシンパシーを感じたのだった。


ミュージシャンであり、ヨガの先生、、、。 


それからというもの、どうしてってくらい

インドに行ったことがある人でわたしのまわりは賑わった。

たかのてるこさんの「インドでバタフライ」というエッセイも、高円寺の古本屋で見つけてお腹を抱えて笑い尽くして読んだ。

高円寺で働く八百屋のお兄さんはドレッドで、「インドいいよ~」なんて目をキラキラさせた笑顔で言うし、(なんでそんなにキラキラ?)

高円寺のカレー屋さんでインドカレーを食べてみたらめちゃ辛くて

こんなの毎日食べてる人たちは謎すぎる、、、と思い絶句してると、カウンターのサリーを着たママに

「でも人生180度変わるよ~、わたしはインド愛してるよ~ 」 なんて言われるし、

今思えば、、、高円寺自体が日本のインドみたいなところだった。(笑)

これはもう、インドがわたしを呼んでるに違いない。

というか、わたしの魂が呼んでいるに違いない。

そう直感で感じたわたしは、すぐさまインド行きのチケットをネットで買った。

え~~い!!って、ぽちってすれば買えちゃうからね。(笑)

そして、さあさあどうしよう!!

とりあえず、インドに行ったことがある旅人たちが集う、井の頭公園へ情報あつめに繰り出した。

わたしは週末、いつもここで自分の絵や写真を売っていたので、井の頭につまるドロップアウト組と

友達だった。楽器を持ってはいつもどこからかふらっとやってくる人たち。

みんな何して暮らしてるの?っていう人ばかり。

その中で、最近アフリカの旅から帰ってきたばかりの女の子に、旅のことをいろいろ聞いてみた。

「ねえねえ、旅のときって正直なはなし、パンツって何枚もってく?」

ドレッドをターバンでかわいくまとめた彼女は、夕日みたいな穏やかな顔でこう答えた。

「一枚あれば十分でしょ!」

「え?? 一枚?!! だって、一枚って、、、替えないじゃん?」

「あはは~。だってさ、裏表あるし、」

「裏表はくの?! 洗ってるとはどうしてるの?」

「そんなのはかなくても良くない? あと、ふんどし作ったりね。とりあえず、布当ててればいいよね」


すげ~~!!!!かっこいい!!

旅人はそんな、レースのついたパンツを三枚も四枚も持って歩かないのですよ。

布でよし!!なんなら、ノーパンでもよし!!

これには脱帽、、、。

わたしはこの日からは彼女を、こころの中でミスノーパン(得意技  裏表)と呼ぶことに決めた。


そして、次に

かれこれ一昔前にインドへ行ったことがある自称ギターリストのおじさんの元を訪れた。

「 インドのチケット買っちゃった 」

「おー、カミュもついにインドか~。 いいな~。 おれはかれこれ20年くらい行ってないなー。」

「 ねえねえ、そのころのインドって女の人旅してたりしたの?」

「ああ、ひとりで旅してるかっこいい女と出会ったことあったなあ。」

「へー!!どんな感じだったみたい?」

「スキンヘッドにしてたよ」

「え?なんで?」

「危なくないようにでしょ。レイプとか怖いしね、インド。 」

「、、、 」

「インドのあとは、パキスタン行くって言ってたな。」

「パキスタン?!へー、パキスタンて、どんなところなんだろうなー。インドと近いっけ?」

「となりでしょ。カミュ、大丈夫かー?   でもまあ、大丈夫かーカミュなら 。おみやげは胃の中に入れてきて」

「そんなの無理だよ!!!まったくもう。」


そうかー、インドの怖い面もたしかにあるよね。

そして、わたしは家に帰り、「インドに一緒に行く!!」と決めた月子と話し合った。

「 さすがにぼーずは無理だよね。 」

「じゃあさあ、一番ださい格好していこう (笑) 男ウケ絶対悪いように。お金もちに見られないようなさ 」

「どんなだろう?ジャージとか? いや、でもこれ空港行くまで恥ずかしいよね。ジャージで空港ってさ (笑)」

「そうだよねー。でもさ、荷物は最小限にしたいよね。
 そうそう、今日旅の達人に聞いたら、パンツは一枚しかもってかないって言ってたよ!」

「うっそだ~! それってすごいね。。。じゃあタオルは?」

「タオルじゃなくて、てぬぐい一枚あればすぐ乾くし十分だって言ってた」

「へ~!!まあ、そうか。インド暑いしね」

「パンツ変わりにてぬぐいをふんどしにする方法もあるって、ミスノーパンさんが言ってたさ(笑)」

「 それはツワモノだ!!! 」

そしてなんとか、なんとかまとめたバックパックだが、、、重さは9キロだった。










つづく










































 



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