2014年10月20日
カレーを食べずにインドを旅する
こんばんは。
インド108展まであと4日。
というわけで、昨夜からインドの旅のお話を書いています。
今宵もあなたをインドにお連れ致します。
はじまり はじまり、、、***
「 つ、ついに来ちゃったね 」
インドの空港に降り立った、いま一番自分たちの中でださい格好の私と月子は、
うまれてはじめてのインドの空気とやらを深呼吸した。
タイから(タイに滞在してからインドへ来た)海を越えて数時間ちょっとで、ここは夢に何度もみたインドだなんて
ちょっと不思議、、、。
そして、空港を出ようと一歩を踏み出したとたん、、、
インド人!!あ~!!ゲートの外にインド人がたくさんいる!!
人口が多いとは聞いていたけれど、ターバンを巻いてるとは聞いていたけれど、
ヒゲの先がくるりんぱってなってるって聞いていたけれど、、、
あー、確かに。中にはそんな人もいる。 きらびやかなサリーを着て、おでこにビンディつけて
ああ、いるいる!!本当に、いる!!! あれ?七三のメンズ多し!!どういうこと?!
って、そうだよね、ここはインド。でもなんだろう。
インドってわたしの中ではおとぎ話のちびまる子ちゃんの世界のような感じだったので
本当にこの国が、わたしがいま生きてるこの世界に存在しているっていうことが
なんだかとっても不思議に思えた。
「 い、行くか。 まずは、両替だね。でも空港のレートは悪いから、少しにしとこうね 」
そんなことを月子と話して、貴重品はすべて腹巻ポケットの中という慎重さがアダとなり
だ、出しづらい、、、。
なんとか両替をすまし、はじめてのインドのお金ルピーを手に、こころが弾む。
「とりあえず、安いゲストハウスがたくさんあると聞いている地域までタクシーで行ってみようか」
勇気を振り絞りゲートを出ると、案の定たくさんのインド人のタクシードライバーが声をかけてきた。
ええと、一気にいろいろ話しかけられても困るんですけど、、、。とこころの中でつぶやきながら
これぞインドの洗礼であるとちょっとにやけてしまった。
一番なんとなく信頼できそうな人を選び、(このおじちゃんならいいかな、騙されても的な人)
安宿街に連れて行ってもらう。
インドのガタガタ道、タクシーの中からはじめてみるインドの世界。
とにかく、、、空気が悪い!!音はうるさい!!排気ガス、、、!!
みるみるうちに、私と月子は沈黙に、、、。
そして初日はドライバーに案内された、まあまあ安心できそうなちょい高めなゲストハウスに泊まったのだけど、
となりの部屋のテレビの音がでかいこと、でかいこと、、、。
なんでそんなに?!! 甲高いインド音楽が夜中鳴り響き、外の雑音に緊張感が取れず、
それでもここはインドなんだという興奮と、妙な安心感の中、冷たいシャワーを浴び
でっかいファンがぐるぐる回る下で眠りについた。
そして次の日、もっと格安なゲストハウスに移ろうと、地球の歩き方をたよりにパラゴンという名の
ゲストハウスに到着。
なんだか、ここには旅慣れしているようなバックパッカー旅行者たちがうじゃうじゃいて、(ドレッド率高し)
日本人もちらほら。 さっそくダブルの部屋をひとつ月子とシェアし、バックパックをおろし
洗濯ロープを部屋に月子が張ってくれたので、ちいさな水道で洗濯物をじゃぶじゃぶと洗い
さすがに一枚ってわけにはいかなかったわたしの貴重なパンツを一枚干し、着替えた。
「 ダサいね 」
シャワーを浴び、部屋のロープにかかった洗濯物をみて月子が言った。
「 うん、ださいね 」
そしてニンマリ。
新宿のきらびやかな、アパレルの流行の最先端で働いていた月子とわたしにとって
このダサさは刺激的だった。
そしていつもはかわいい月子が、シャワーを浴びて出てくると
いつもメガネにヘアーバンド姿という、ちょっとオタクっぽいその姿に
安堵し、インドへ来てはじめておなかを抱えて笑った。
「あー、ビール飲みたい。」
おやじ臭く月子が言った。
「はじまったよー、アル中。(笑) でも残念、インドはアルコールNGだよね、たしか」
「そうなんだよなー、本当に。 そういう宗教のなんたらってやつって、困るよね。いいじゃんねービールくらい」
「 だめだよ。その国で大切にしてることってあるんだからさ。見つかって刑務所とか入れられたたどうするの?」
「カミュって変なとこ真面目だよねー。 」
そんな普通な会話をしながらも、私たちはインドにいるこの感覚をお互いに肌で味わっては、
内心わくわくドキドキしていた。
こういうわくわくした感じって、もう長い間味わったことがなかった気がする。
どこにもわたしを知ってる人がいない。(月子をのぞいて)
どこにもわたしが知ってる風景がない。
なにもかもが、未体験。はじめてずくし。そんな旅。
「おなか減ったよね、カレー食べようよー!」と月子。
「うん!!うん!!わたしは今日のためにカレーを二ヶ月間一切食べないできたんだよ。」
「え?なんで?!」
「だって、インドにいたら毎日カレーだったら飽きちゃうかもって思って。 だからカレーに飢えておけば、
毎日カレーでも嬉しいと思ったんだよね」
「そ、そうなんだー、、、 そういえば我慢してたね。 笑」
そう、わたしはこのインドの旅のために、わざわざ大好きなカレーを断じていたのだ。
そして、それがアダとなるとは、、、
ゲストハウスで出会った日本人の旅人のゲンくんは、小柄なボーズ頭の青年だった。
実は彼をバンコクのゲストハウスでも見かけていたので、あ!!と思い声をかけた。
カレもインドに行くためにタイにいたんだね。
「ローカルに人気のあるカレー屋なら知ってるよ。 今から近くを通るから案内するよ」
コルカタの街はとにかく空気が悪くて、みんな咳き込んでいるのが印象的だった。
牛に、人力車に、窓のない車に、ボロボロのバスに、、、 なんだか目がぐるぐるする。
「ここだよ」
と案内されて中へ入ると、なるほど、テーブルに椅子、インド人のおじさんと、まだ10歳くらいのこどもが働いていた。
店内はインド人のおじさんが多くて、みんな右手で器用にカレーを食べている。
英語のメニューと、ヒンディー語のメニューがあり、
わたしは悩んだあげくベジタブルカレーのようなものを選んだ。
そして無口なインドじんのおじちゃんがチャパティを焼き、にやにやした少年がカレーを持ってきてくれた。
めちゃおいしそう!!!
テーブルの上には水が置いてあったけれど、それには手をつけなかった。
さすがに日本人にはローカルの生水は危険と思われた。
「旅のおわりくらいには、案外飲めるようになってるかもね」
そんなことをボソリと月子がつぶやいた。
インドネシアにふたりで行った時は、ちいさな虫ひとつできゃーきゃー叫んでいた月子も
旅を通してだいぶ強くなったものだと思った。
「さあさあ、インドではじめての本格インドカリーをいただきましょうか」
少年があわててスプーンを持ってきてくれた。
ジャパニーズには手では無理だろう。という親切さ? それとも試してるのか?!
「 ここはひとつ、手でいってみますか? 」 とわたし。
「 ええ もちろん 」 と月子。
そしてカレーをチャパティに不器用にくるみ、感動の一口目!!!
「うわあ!!! めちゃうまい!!」
本当に感動する美味しさだった。 こんなカレーなら毎日食べても飽きないわ!!
「しかもあまり辛くないじゃんね。これなら辛いのが苦手な私でも、、、あ、、、あれ、、、」
あれ、、、か、か、からい~~!!
というか、辛いを通り越してわたしのカラダの中でスパイスが弾け飛んで 意識が、、、
「ごめん、、、月子、、、ちょっとわたし、、、倒れるかも、、、」
「え~~!!!ちょっとちょっと!!どうしたの??大丈夫~!!!」
というわけで、なんと、、、
わたしはインドのスパイスの洗礼に意識が飛び、心拍があがりすぎてしばらく帰らぬ人となったでした。
てゆーか、、、インドってそういえば救急車とかってあんのかな、、、
わたしこのまま、、どうなっちゃうのかな、、、
まさかさっそく病院おくり??
いやいや待てよ、インドの病院なんて悪いけど信用できない、、、
信用できない、、、
意地でも目を覚まさなくては!!
「た、、、ただいま。 」
目を覚ましたらそこはまさに、ローカルインドのレストランだった。
目の前には心配そうな月子のいつもの顔。。。ふう、安心した。
「大丈夫?!!水、飲む?」
「ううん、なんとか戻ってきたみたい。大丈夫だよ、ごめんね。。。ははは、、、。
今日のためにカレー断食したのがいけんかったかな、、、スパイスに反応しすぎたみたい、、、」
わたしのカラダは昔から刺激物に弱いのだ。コーヒーのカフェインもそうだし、アルコールもそう、
薬も効き過ぎるので、いつも半分にして飲んでいたほどだ。
「わたしの体はまだおこちゃまなんだなー、、、胃袋がびっくりしすぎて目を見開いてるみたいだ、、、」
心臓がまだドキドキしている、、、。もう怖くてカレー食べれないや、、、。」
「え??ほんと?!! わたし全然いけるよ。カミュのも食べるよ。」
「月子はいいなー平気で、、、味はおいしいのになあ。 あー、わたしはとりあえずチャパティと ラッシーだけにしておくよ」
そしてわたしは優しいラッシーをちびちびと飲み、まるでインド人のようにカレーを食べる月子を
うらやましく思いながら、インドの病院のお世話にならなくてよかったと、安心して家路についたのであった。
そしてその日から、わたしはマサラ恐怖症としてインドに滞在することとなる。
カレーを食べずにインドに滞在、、、。
果たしてカミュの運命は?!
つづく
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Posted by カミュ at 23:46│Comments(0)
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