2012年06月09日

雨のインド

梅雨入りおめでとう。

雨は想像力を引き出してくれる。

雪もそうだけど。

だからおめでとう。



ということで

雨シリーズの旅日記を今夜は書きたいな。










インドはラジャスターン

どこまでも続く穏やかな砂の螺旋


曲線が好きな私にはとても美しい世界


家がない

山がない

川がない

人がいない


ただ

大きな夕日がそこにあるだけ



私は本当に生きているんだろうか?



と一瞬思ってしまったけれど


水がないとうことが不安である以上


わたしは今ここに存在している

肉体を持つ生命の現れなのだろう。


私はこんな風にして

夕日と向き合ってみたかった。

だからここにいる。


額を外した絵画の中にいる様に

スクリーンではない映画を演じるように

素肌で砂を感じて

じりじりに焼けてみたかったんだ。


生命の危機を感じれば感じるほど

人は生を燃やすように

ぬるくなったペットボトルの水を一口飲む





足元に寄ってきた虫の命が

なんだか妙に愛おしくなる


この世界に

今 わたしとあなたと夕日だけ





そのとき

ぽつん ぽつんと雨が降ってきた





カラカラに乾いた肌に染みわたっていくその一滴

それこそが

この大地の声の感覚と近いのかもしれない。



そんなことを思った。





そして雨はぱらぱらと 

空のおしゃべりのように降り注ぎ

あっという間にやんでしまった。


でも


砂と雨のにおいが私を優しく包んでくれていた。



目をそっと開けると


 あ  


  虹 






わたしのおでこにつけていたビンディに

そのときの虹が見事に移りこんだ。








空も

虹も

砂漠も

私も


虫も


君も


たぶん永遠の星に違いない。


ここから消えてなくなったとしてもだ。


だから

何も心配いらないね。






砂漠の村に住む 赤いワンピースを来た少女の詩が

風に乗って私の耳に届いた


それはとても懐かしい声で

何かの呪文のようにも、祈りのようにも聞こえた。



さあ

帰ろう



ここにも


私を待ってくれている人がいる。



そのことが

私の帰り道を照らす光となった。











晴れの日も

雨の日も

風の日も


花が咲いてるそのときも

花が枯れたその時も

土になったその瞬間も

芽を出したその瞬間も



永遠の星の姿

そのものなんだろう


どこをとっても


同じ輝きであるんだろうな


そんなことを最近 ふと


思いました。



おやすみなさい。


いい夢を。






  
タグ :インド
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